静和漢方薬局 第7回 自分力教室 番外編
さて、自分力教室は、午後4時頃に終わり、用事のある2名が帰った後、気になっていたKさんに「ご主人や娘さんに伝えたい事があると仰ってましたが、ここでやってみますか?」と声をかけて、ご主人や娘さんに自分の想いを伝えるシュミレーションをやった。
Kさんは、この半年間でずいぶんと変化し、自分を表現できるようになってきたが、自分の魂がさらに大きな変化と成長を望み背中を押すので、自分の中に戸惑いと大きな葛藤が起こり、最近、体調を崩していた。
Kさんの前に座った夫役の私に、Kさんは自分の想いを丁寧に伝え始めた。「今までありがとう。あなたばかりを責めていた私を赦して下さい。ごめんなさい。私は、これからも、あなたと一緒に生きて行きたいと思っています。」
内容を簡単にピックアップしただけの文章にしてしまうと、簡単なメッセージになってしまうが、Kさんは、夫のギャンブル依存症、娘の不登校でとても苦しんできた。何でこんなに辛い人生なんだろうと、何度も思ったという。今まで夫を恨み憎んでいたKさんが、夫に「ありがとう」と言えるまでにどれだけ真剣に自分と向き合ったことか、それを思うと胸が熱くなる。
夫になりきって、Kさんの前に座っていた私は、「今までありがとう」の言葉を聞いた時、胸の痞えが取れ、「一緒に生きて行きたい」の言葉を聞いた時、喜びで胸がいっぱいになった。このKさんの想いはきっとご主人に届くだろう。そしてご主人もきっと変わる。本当の想いを真剣に伝える時、それは人を根底から変える力となる。
次にKさんは、娘役のNさんに、自分の想いを伝えた。「小さい時からいろいろ押し付けてしまってごめんね。お母さんを赦してね。不登校苦しかったよね。よく乗り越えたね。今まで本当にありがとう。家族としてこれからもよろしくね。」
これまた内容を簡単にピックアップしただけの文章にしてしまうと、簡単なメッセージになってしまうが、ジーンと胸が熱くなった。娘さんとしてKさんの前に座っていたNさんも、充分にお母さんの想いが伝わったと言っていた。
今度は、Nさんが、自分の娘さんのことを話すうちに、「娘は(障害を)受け入れているのに、受け入れていなかったのは私の方だった」と言って涙を流した。Nさんのお嬢さんは、難聴であるが、とても聡明で素敵なお嬢さんだ。これから実社会で生きていくには、苦労もあるだろう、しかし「あなたなら大丈夫」とお母さんに認め受け入れられている安心感は何者にも優る強い支えとなるだろう。
「すべてそれで良かったのだ」と、自分の人生を認め赦し受け入れる時、すべては好転していく。自分の人生を、自分自身を、否定しているうちは、何も変わらないし、一歩も先に進めない。今のありのままの自分を認め、赦し、受け入れることで、道は大きく開ける。Kさん、Nさんのこれからが楽しみだ。
こうして、第7回、自分力教室の番外編は、感動のうちに終わった。
★ミッチー先生、2006年9月~2007年3月まで、多くの学びをありがとうございました。この学びを生かして、次月からは、いよいよ私が自分力教室をやります。新たに名称も変え(考え中)、出発します。乞うご期待!