暗渠
★日の光を浴び、風にゆれ、楽しそうに咲くコスモス(立川・昭和記念公園にて)
このところ、転換期を迎えていることを自覚しながらも、何をどのように始めるか具体策が思い浮かばず、悶々として日々を過ごしていた。
10月19日(日)、「坂下メソッド・自分力教室」にて、ミッチー先生から「子供になりきる」というアドバイスを受け、手始めに「絵本を買って、声に出して読む。そして、自分の中の子供に語りかける」と良いと言われた。
新しく始めるワークについては、「まず名前を決めること。自分が何を学びたいかが、人に教えたいこと伝えたいこと。これを表す言葉。自分に適した名前をつけると、名前が力を貸してくれる。本当に気に入っている名前は力を持つ。小説、新聞、その他から、ぴんと来る言葉を書き出し、組み合わせて行く。」
というわけで、毎日「言葉」についてあれこれ思いを巡らせている。
今日、目に付いた言葉は、
「暗渠」(あんきょ)
先日、NHKの「熱中時間」を見ていたら、「暗渠」(=覆いをされた水路、川)を辿るのが趣味というロックシンガー加瀬竜哉氏が、かつては「春の小川」として歌われた暗渠、「河骨川」を辿るのを紹介していた。そして、今日、加瀬氏のブログを見た。
「春の小川は、さらさら流る
岸のすみれや、れんげの花よ
にほひめでたく、色うつくしく
さけよ、さけよと、ささやく如く
これは、原詩をお書きになった国文学者、高野辰之先生によるオリジナル。
代々木5丁目は1212年(建暦2年)創建の代々木八幡神社を擁する代々木八幡山と代々木公園部分に挟まれた谷で、付近はかつて代々木九十九谷と言われたほど深い谷である。
そして、この谷を流れていた"春の小川"は、河骨川(こうほねがわ)と言う名の川である。なんと美しい名だろうか。
その名の由来は浅い池や沼などに自生するスイレン科の植物、コウホネである。コウホネの名は水面に出たその根が白い骨のように見えるところから来ており、根は"川骨(せんこつ)"の名で漢方薬にもなっている。また、小川や池など、水質がきれいな所にしか生息しない。つまり、ここには美しいコウホネの咲く小川があった、と言うことなのだ。
河骨川は高台の初台から代々木5丁目を通って富ヶ谷へ抜ける短い川である。水源は初台近辺の深い谷。
記録を辿ると、河骨川の全域暗渠化は1963年(昭和38年)に行われていた。東京オリンピック開催前年、つまりオレの誕生の前年でもある。河骨川が暗渠化された時、きっとこのあたりは既に春の小川とは呼べないほどに汚れ、異臭を放っていたことだろう。目の前がオリンピックの選手村、ではそうせざるを得なかったのかも知れない。が、暗渠化したのが日本人なら、川を汚したのもまた日本人なのだ。戦後の高度経済成長の代償は大きかった。が、そのおかげで我々が豊かな生活を送っていられるのもまた事実である。」(加瀬竜哉氏のブログより抜粋)
そして、今日、村上春樹氏の「ねじまき鳥クロニクル」を読んでいたら、また「暗渠」の話が出てきた。小説に登場する女性が、「暗渠」に飲み込まれる恐怖を語っていた。
私には、「暗渠」=自分の中に流れる「本来のエネルギーの流れ」に蓋をして生きている現代人の象徴のように思えた。NHKの放送で、加瀬氏が暗渠の中に入って行く映像を流していたが、暗渠を流れる川は、もはや「川」ではなく、「どぶ」になっていた。
私は、「子供になりきる」というお題を、「暗渠の蓋を取り払って、もとの生命力豊かなエネルギーの流れを取り戻せ」というメッセージとして受け止めた。
私が、伝えたいことも「これだ!」と思った。
が、しかし、…
セッションのネーミングが「暗渠」では、暗すぎる…
まだ、時間はある。
自分の表現したいことをじっくり吟味し、
言葉が熟成してくるのを待つ。
これもまた楽しい作業だ。
明日は、絵本を買いに行こう!
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