仙人のような山小屋の番人
左の写真は、編笠山2,524mの山頂から撮影した写真です。雲海がとても美しかったです。雲海の向こうに小さく見えるのは南アルプスの山々です。雲海を眺めながら飲む熱いコーヒーは最高の味わいです。(写真をクリックすると拡大します。)
10月29日(日)~30日(月)に、八ヶ岳南部の権現岳2,715m~編笠山2,524mを歩いてきた。
10月29日(日)は、早朝に家を出て、甲斐大泉駅まで電車で行き、天女山入り口まではタクシーを使った。権現岳の前三ツ頭付近から三ツ頭は急登で結構きつかったが、権現岳の山頂からは、八ヶ岳の主峰・赤岳2,899mや阿弥陀岳2,805mが、圧倒的な迫力で、すぐ目の前に迫ってくる景色を堪能した。
しばし山頂からの景色を楽しんだ後、その日は、権現岳の山頂直下にある権現小屋に泊まったが、まあその小屋のおんぼろさには驚いた。(昔ならいざ知らず、近頃の山小屋は、設備の整ったところが多いので、驚いた。)
まず、雪の重みで建物が曲がった為か、入り口のドアが傾いて、開け難い。もちろんドアそのものもボロボロだ。
2階が寝る所になっているが、垂直の鉄梯子で、登る。建物全体が雪の重みで傾いているので、窓側が低い。つまり床が平らではない。
建物が傾いているので、壁と窓枠の間に隙間がある。
さらに布団を敷こうと思ってびっくり、布団はビリビリに破けて、中綿が出ている。すると、山小屋のお兄さんが、「まあ、布団が破けているのは、ご愛嬌ということで、アハハハ…。片手で狭い窓から無理やり布団を出して、屋根の上に干すので、破けてしまうのですよ。」
屋根に通じているのは垂直の鉄梯子。鉄梯子につかまりながら片手でやったら、まあ、あちこちに引っ掛かってバリバリになるだろうな、と納得。
夕食はカレー。山小屋のお兄さんは、5月の連休前から山小屋にいるが、毎日カレーだとか。お兄さん曰く「毎日夕食はカレーです。昼は毎日チャーハン。ぜんぜん飽きません!」
お兄さんは一人で、この山小屋にいるが、大きな山小屋より気楽で良いとか。週に2~3回は、歩荷(ぼっか)で、60㎏の荷物を里から担ぎ上げるそうだ。その他登山道の整備、蒔き割りなど結構やる事はあるとのこと。
今時、歩荷とは驚いた。ほとんどの山小屋がヘリコプターを使って、物資を運んでいる時代なのに、ここでは、シーズン始めに灯油と米をヘリコプターで運ぶが、後は歩荷だそうだ。
毎日カレーとチャーハンでも、すごい体力だ。
水道も電気もない。水は天水(雨水)を沸かして使う。テレビももちろん無い。明かりは、灯油のランプだ。
お兄さん曰く「ここは気楽で良いです。大きな山小屋では、飯のしたくと掃除に追われて、たいへん。ここでは、歩荷で外にも出られるし、気ままです。やる事も結構あるけど、夜になれば、ひとり静かに酒を飲んで、寝れば朝が来る。」
仙人のような生活をしているお兄さん。
「気圧が低いので、ご飯は、圧力鍋で炊くんです。水加減が難しいんですよ。カレーも圧力鍋で作ります。そうじゃないとジャガイモが中まで柔らかくならないんです。」
ランプのほの暗い明かりと、薪ストーブのパチパチと薪の爆ぜる音を聞きながら、夕食のカレーを食べた。お兄さんの炊いた炊き立てのご飯とカレーは、案外おいしかった。
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